江戸時代の暮らしはSDGsムダのない循環型社会
日本の昔ながらの暮らしや知恵は
普通にSDGs
「SDGsは世界の共通語」と言われ、「誰ひとり取り残さない」の理念で世界中で取り組みが行われていますが、日本の昔ながらの暮らしや知恵は、普通にSDGsでした。
たとえば江戸時代。もちろん、現在もそうですが、江戸(東京)と出羽(山形)など地方との違いがあってもその地域の風土に合わせた暮らしの知恵、工夫があったことでしょう。
江戸時代は鎖国でしたから、今のように資源も食料の輸入もありません。化石燃料に頼らず、植物資源で生活していました。電気はないので、夜は「行灯(あんどん)」で過ごしました。皆さん、時代劇で見たことありますよね。小皿に注いだ油に火を灯します。油はごま油、菜種油などの植物油で、地は鰯、秋刀魚などの魚油もあったそうです。
基本は、明るくなったら起きて働き、暗くなったら早めに寝る。お日様と共に暮らしていた、ということですね。
また、今の日本の食料自給率は低く、世界状況が不安定になれば、日常生活品の値上げラッシュのように、すぐに人々の暮らしに影響がでます。
江戸時代の稲作では、藁を破棄せずに衣食住に100%活用していました。「衣」は、日除け用の編笠、雨具用にみの、草履などに。「食」は、米俵、納豆づくりなどに使う、わらづと。「住」は、屋根、ゴザ、土壁の材料などとして。また、稲作農家は、農閑期にこれらの日用品を販売して収入源としていました。
物が溢れている現代と違い、限られた物資、所有物を徹底的にリサイクルして使う文化でした。着物はボロボロになるまで着回した後は、おむつや雑巾、最後はかまどや風呂釜の燃料になりした。燃やした後の灰までも活用しました。
食材は必要な時に必要なだけ。江戸では行商人が魚や豆腐、野菜などを売りに来て、必要な分だけ量り売りで買っていました。冷蔵庫はないですからね。山形では少し違っていたかもしれませんが、冬の間に野菜や魚が食べられないので干したり、漬物にしたりしていましたよね。
健康のために見直されている、醤油、味噌、納豆、糠漬けなどの発酵食品も家庭でつくられて、その土地や家の味がありました。
昔の日本人の知恵はすごい。
(参考)江戸の暮らしに学ぶ、新しい循環型社会の在り方/石川英輔